2008 albasanz

無作為な“壁”の表情

京都、烏丸のリノベーションビルの1階にヘアサロン出店の計画依頼があった。最近になって気が付いたことだが、京都の市内の土地物件では、しばしば、奥に 長い縦長の平面が出てくる。いわゆる「うなぎの寝床」である。今回の物件も間口4.6mに対して、奥行き28mの平面である。美容室の平面計画において は、縦長は、レイアウト的に難しいわけではないが、やはりかなりの長さである。そのため、あえて長さを強調したデザインにすることで、ショップとしての個 性を強調しようと考えた。片側一面にセット面を並べ、シンプルなレイアウトとし、7mあるカウンターには受付、待合、カラーラボといった機能をひとまとめ にしている。動線計画上シャンプーブースを中央に配置し、奥に個室的要素をもったセット面を3席、さらにその奥にバックヤードを配置した。コンセプトはシ ンプルアンドナチュラル。技術者でもあるオーナーの人柄をヒントとした。古い建築物の内部を壊してみると、時おり出てくる無作意なコンクリート壁の状態が とても雰囲気があり、柄、表情を作りだしていることがある。今回も解体された現場を訪れた段階で、壁をしばらく眺めていると表情がどんどん絵になり、あた かも彫刻のような模様に見えてきた。この表情に、内部壁としての額縁を施し、セット面の意匠として生かしてみた。全体的に色彩を抑え、間接照明にて光を与 え、凹凸感を強調している。無作為な素材感は時として荒々しく、また繊細な表情を放つ事がある。思った通りの壁面アートが出来上がった。

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Beauty Salon