2009 Dental clinic TAKANNA east

京都の中心、四条烏丸交差点に全面を木製の板で覆われたオフィスビルがある。この都心部において異彩を放っているビルの2Fが本計画の敷地である。
クライアントからは、この“特異なビル”という敷地を生かしたデザインが求められた。そこで、木の質感や見た目の優しさに重点をおいたビルのコンセプトを与条件と考え計画を始めた。共用部から院内へデザインを連続させ、ビルの一部に溶け込む事で、逆に顔となりビルを媒体として街へ発信しようとこころみた。
医院の中心に据えられた円形の手術室は、待合と診察室を柔らかく仕切り、床からの間接照明で「演出」されたアプローチを作りだしている。これにより待合と 診察室は、遠すぎず近すぎずの絶妙な距離感となっている。また、これを待合のスリットから見せる事により密室になりがちな医院の閉塞感を緩和している。
患者とドクターの大切なコミュニケーションスペースであるカウンセリング室は、このアプローチの脇にアルコーブのように設け、どこからでも利用出来ながら心理的に隔離し、使いやすさとプライバシーを両立させている。
インプラントや審美歯科などをメインとする本院では、マイクロスコープや無影灯などの手術用機材が多数導入された。尖端が鋭利な道具やロボットのような機 械はどうしても恐怖感を与えてしまう。そこで出来るだけ柔らかい質感の木や紙クロスを使用し、また照明の切り替えにより、術中の休憩時に患者が寛げるよう 配慮した。
医院設計においての「演出」とは、「過剰な装飾を施す」の意ではなく、患者の緊張感を少しでも和らげ、心地よくリラックス出来る空間を創造する事ではないでしょうか。

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